世界の絶景ドライブ アマルフィ海岸 (イタリア)

  • アマルフィ海岸(Costa d'Amalfi)とはカンパーニア州サレルノ県にあるポジターノからヴィエトリ・スル・マーレまでの約37kmの沿岸地区の通称名です。

 

 

 

  • センターラインもないような細い道をクネクネ進むと、宝石のような美しい街が次から次へと出てくる海岸です。ドライブしていて、こんなにワクワクする道はまさに”絶景ドライブ”の名にふさわしい道でした。
  • 急峻な海沿いの道はカーブもきつく高低差もかなりあります。センターラインもあるようなないような狭い道がずっと続きます。写真はアマルフィの街から1kmほど南にいった場所ですが、このように車を停めることができるスペースは稀です。
  • かつては知名度もそれほど高くなく、「知る人ぞ知る」程度だったのですが、フジテレビの映画(「女神の報酬」2009年)などもあり、かなり人気になってしまいました。
  • しかし、この場所は外部からの交通アクセスが、細い海岸道路しかありません。場合によっては「大型バスでアクロバテッィクな曲芸運転を2時間も続けてようやく着いた街は、規模がとっても小さくてビックリ。海岸も建物の規模もとても小さく、がっかり観光地だ」 などとweb上に書く旅行者も出てきてしまいました。
  • 「同じ海なら熱海の方が遥かに良い」なんて書いてあるブログもありました。確かに単なる観光地として見てしまえば、魅力に欠ける分はあるかも知れません。
  • ・・・・しかし。ドライブ好きの人間からすれば、こんな楽しい場所はありません。アップダウンも激しく、細くくねった道ではありますが、次から次へと歴史と文化あふれる世界遺産級(実際に世界遺産ですが)の超風光明媚な風景が現れるのです。
  • しかも眼下には、透き通る紺碧のティレニア海(地中海)。これで気分が盛り上がらないはずはありません。
  • ・・「アマルフィを否定的に書いている方も、自分で運転して走ればここの魅力が分かるのに」・・・と思うのは自分だけでしょうか?
  • 今回ここを走ったのはこれ、マツダのロードスター。海外名Mazda MX-5。NB6C型。直4 1.6Lの5MTです。小さくて小回りが利くこの車はアマルフィを走るのにベストチョイスでした。
  •  ここの美しいのは昼間だけではありません。朝や夕方など、光線の加減が変わるたびに様々な表情をみせてくれます。

  • こんな町が次々に出てくるここの運転は、やはり”絶景ドライブ”と言っても良いと思います。
  • それにしても海岸ギリギリまで建てています。サイクロン(台風)は大丈夫かな?と思ってしまいますが、やはり何度も大きな被害に遭っているそうです。
  • あまりにもきれいな海岸だったので、幹線道路を出て、ビーチまで来てみました。古い石造りのアーチ型で上の道を支える構造や、船を係留しておく場所を作るなど、ここの人々が海と共に生きてきた様子が感じられます。
  • アマルフィの町はずれの崖の上の建物。見張り台かな?
  • 街も美しいのですが、自然が作りだした海岸の造形美も非常に美しいです。
  • 加えて、都市部の近くのはずなのに、海の色が抜けるような青と高い透明度でビックリです。「きれいな海」と思わずつぶやいてしまうほど。

  • アマルフィ付近の街の様子
  • 旅の基本は「貧乏バックパッカー」から抜け出せないワタシ。少し大人になって、移動がバスから車に変わったりしていますが、「全て個人手配の個人旅行」という部分は変わっていません。よって例によって、停まるホテルを決めていなかったのですが(笑)、アマルフィの街には、ホテルはあっても、駐車場が見つからない所も多かったので、数キロ移動して、近くの町ミノ―リminoriに宿をとりました。アマルフィは平地が限界まで使われていて、とてもこんな道路は作れませんが、周辺の街にはところどころ広くなっている場所もあります。
  • 稀ですがちゃんとしたビーチがある場所もあります。
  • 町が近くまであるのに、海は青く透き通っていました。
  • 街中を走る道路は基本的に1本だけ。輸送用道路 兼 生活道路なので観光客の増加は悩みの種なのかもしれません。
  • 夕食を頂いたレストラン。本場のイタリア料理はどれもおいしく、しかも大盛りなのにリーズナブル。地元の人が全員ワインをピッチャーで飲んでいたのがいかにもイタリア的でした。
  • 朝、ビーチに出てみました。もと海運国ですので、どの町にもしっかりした港があります。
  • 朝焼けに映える漁船が美しいです。
  • 街の中心部には教会がありました。街の規模に比べてとても立派です。

  • ではアマルフィの街を見ていきましょう。中心にあるのは千年の歴史をほこる大聖堂、アマルフィ大聖堂(Cattedrale di Sant'Andrea/Duomo di Amalfi)

  • アマルフィ大聖堂の鐘楼 Campanile 1180年に建築が開始されましたが完成までに100年以上かかったそうです。
  • アマルフィ大聖堂の正面。壁画が美しいです。
  • 大聖堂の回廊部分。完全にイスラーム様式になっています。マヨリカ焼Maiolica (またはマジョリカ焼きとも)のタイルで装飾されています。
  • 海岸から見た街の中心部
  • 海岸ギリギリまで建物がせり出している様子が分かるでしょうか?ここに車が走る道があるわけなので、それは細くて急カーブの道になるわけです。

  • アマルフィの街の山の方を見たところ。
  • アマルフィ中心部のビーチより山方面を望む図。
  • 大きな建物が目を引きます。
  • この横に広がっている大きな建物は元修道院。現在はホテルになっているとのことです。
  • 再びビーチから見た中心部。ひときわ高い煙突のようなものは、大聖堂の鐘楼です。
  • とにかく平地が少ないので、幹線道路の上にも建物がせり出しています
  • 上の場所を海側から見るとこんな感じ。真ん中の穴をくぐると、幹線道路のトンネルがある構造です。・・・地震が来たら壊れそうな感じですが、イタリアなのでこれでいいのでしょう・・。
  • 街の中はこんな感じ。フォトジェニックな雰囲気ですが、車が入れないので、実際の生活はいろいろ大変とのこと。

  • 美しい階段。白を基調としたモノトーンの世界が何とも言えす良い感じ
  • 階段に、植物を配置してあるあたりが、この道を大切にしている様子が分かります。
  • そうそう、旅行者のために両替所がありました。ローマの市街地に比べ少々レートが良かったのは、たまたまなのかもしれません。
  • スーパーはどこ?と思っていたら、白い建物の奥に生鮮食料品店がありました。
  • フラビオ・ジョイア広場 Piazza Flavio Gioia。海岸に面した町の中心部です。ここには アマルフィ出身で羅針盤を発明したフラビオ・ジョイアFlavio Gioia の銅像があります。
  • 【農業について】
  • では、アマルフィ海岸の農業について紹介します。
  • この緑の網みたいなものは何かと言えば・・・。
  • 地中海名物、柑橘系の果物です。基本はレモンのようです。アマルフィの街中にもレモンが多数売られていました。

  • 乾燥気味で、温暖で、柑橘系の栽培には最適な気候なんだそうです。
  • 街と街の間はこんな森が広がっています。街として開拓しにくく、レモンなどの栽培もしにくい場所はこうして手つかずの森として残っています。
  • それでは、車についてみていきましょう
  • 尚、ここからの写真はデジタルビデオからの切り出しのため、画質が極端に悪くなることをお許しください。
  • まずはMX-5のハンドル回り。日本仕様とほとんど同じですが・・・。
  • メーターが240km/hまで刻んであることが違います。
  • ヘッドライトも欧州車の基本の独立スイッチではなく、日本車仕様のウインカーへの埋め込みタイプ。
  • ロードスターのタイトなコックピットはドライバーにとって、「運転手楽しい」を実感させてくれる空間だと思いました。
  • さて、実際に走っている風景をみていきましょう。
  • センターラインは基本的にありません。でもどの車も出せるだけの差異高速で走ろうとします。
  • 場所によっては、こんなトンネルも良く出てきます。
  • それぞれの街の中心部など、少し広くなって平になっている場所もあります。
  • トンネルの中もそれほど広くありません。大型車が来たときは絶妙なタイミングですれ違います。
  • それにしても夢のような風景が次々と車窓に現れます。
  • この時、なんでこんなに先行者がいるかというと、この渋滞の先頭に大型バスが走っているからです。 そして、そのバスを隙あらば抜こうとどの車も思っているようです。
  • 建物の脇を通ることも多く、交通事故も心配になります。
  • 狭い場所に建物が密集しているのがこのエリアの魅力なのでしょう。
  • アマルフィの街です。やはり規模は他に比べて別格です。
  • 農業地域も良くわかります。
  • 夜は暗い中をさらにみんなぶっ飛ばします。
  • 独特のスリルがあってとても楽しく運転できました。
  • アマルフィの街の中心部には一応駐車場があります。 ただしすぐにいっぱいになるので停められたらラッキー。
  • ということで、たまたまその駐車場に停めることができました。車を停めるとこのおじさんがやってきて、駐車券を渡してくれます。料金は後払いになります。

世界の絶景ドライブ  

アマルフィ海岸(イタリア)Costiera amalfitana

 「世界で一番美しい海岸線」とも呼ばれるアマルフィ海岸はナポリの南東に位置し、イタリア歌曲「帰れソレント」で有名なソレントから、サレルノまでの40kmはアマルフィ海岸Costiera amalfitana:イタリア語,Amalfi Coast:英語)と呼ばれ、世界で最も美しい海岸の一つとされています。この海岸のドライブについて紹介します。

 

【概要】

 10世紀、アマルフィは、地中海貿易の先駆者であり、初めて海商法を整備した国として強大な富と権力を持っていました。というのも、ここは4大海運国(ヴェネツィア、ジェノバ、ピサ、そしてアマルフィ)の一つに数えられ、その中でも最古の10-11世紀に大繁栄したところだからです。しかし、繁栄は長くは続かず、ピサ人の侵略を受けて商業発展は停滞。しかもその後、地震と津波で砂浜は浸食されてしまい、広範囲の土地が水中に没してしまいました。

 現在。過去の栄光時代の建物が残る美しい都市の海岸として有名な観光都市となっています。

 

【アマルフィ海岸は小さな自治体の集合体】

アマルフィ海岸と言っても、この海岸全部が特定の街を指すのではありません。40km弱の道沿いには、13のコムーネ(自治体)があり、その全体を含めて「アマルフィ海岸」と言う場合が多いようです。この海岸はSS163号線沿いにあるのですが、実際に走ると次から次に美しい街が現れます。西から挙げると、ポジターノ(Positano)、プライアーノ(Praiano)、フローレ(Furore)、アマルフィ(Amalfi)、ラヴェッロ(Ravello)、ミノーリ(Minori)
、マイオーリ(Maiori)、ヴィエトリ・スル・マーレ( Vietri sul Mare)・・となります。

 

【個人的感想】

たまに、ここを訪れた人のブログなどを読むと「行くだけで疲れた」「ビーチも街も小規模で見どころにかける」などとマイナスな情報を書いている人も見かけます。たしかに、バスで数時間もゆられて行っても、アマルフィの街自身は小規模で、見どころも少ないと思います。でも・・・。自分で運転してみれば印象は全く違います。カーブを曲がるたびに違う世界が現れて、遊園地のアトラクションかと思うほどでした。

 旅の方法はそれぞれですし、目的や印象もそれぞれなのですが、ここを訪れる際、やはりできるならば自分で車を運転して訪問することを強くオススメします。

 

【車は】

ということで、南イタリアに来たらどうしても訪れたかったのがここ。イタリアは日本の国際免許でそのまま運転できる国なので、レンタカーの借り出しも簡単です。(ついでにいうとユーロ圏なので、空港に着いた時の入国審査も非常に簡単で、ほとんどスルーパス状態でした。南米やアフリカの超煩雑で厳格な出入国に比べると、審査は無いに等しいです)

今回、かりた車はマツダMX-5(日本名ユーノスロードスター)。当然、屋根を開けてフルオープンでさっそうと走りたかったのですが、訪問時期は1月。時折雪がちらつく冬のイタリア。「こんな寒い時にオープンで走るなんてイヤ」と屋根開きで走ることを拒否した同乗者(妻とも言います)がいたので、仕方なくクローズドで走りました・・・。

 

【後半の写真は画質が悪いです】

この時、それほど多くの写真を撮らず、詳細な記録が残っていませんでした。ビデオ(miniDV規格のデジタルビデオ)は少し撮っていたので、それを掘り起こしてみました。今となっては非常に粗い画質ではありますが、他の写真が無かったので恥を忍んで載せてしまいました。・・・ということで、後半の写真はminiDVからの切り出しです。見にくい画質ですがご容赦ください。

 


 アマルフィ海岸の情報はこちら

アマルフィ海岸  Costiera Amalfitana

同じ写真が多数ですみません。作者が同じなので・・