シボレーコルサでアルゼンチンバルデス半島を走る (パタゴニア1)


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  • こんな大平原を突っ走ってきました。


  • トレレウ空港(Almirante Marcos A. Zar Airport,IATA: REL, ICAO: SAVT)のHertzのレンタカー窓口にて。窓口のお兄さんは親切で、まともな方でしたが、約款により非常に高額な(20万円くらい)の金額を、事前に保証金として落とせなければ車は貸せないことになっているそうです。自分は日本発行・米国発行の5~6種類のカードを持っていたのですが、全て拒否されました。(後日カード会社に問い合わせると、「アルゼンチンの怪しい店から大金を落としたいという申請があったが、怪しかったから拒否した」とのことでした)

  • webでの予約時、自分がそのルールを見落としていただけかもしれませんが、とにかく「ここで車を借り出すには、クレジットカードで大金を落とせる確認をとれないと無理なんだ」 の一点張りでした。
  • 結局、Hertzのおじさんいわく、「じゃぁ、ウチはだめだけど、となりのおじさんならいいかも。一緒にに頼んでみよう」と隣のブースのRENT A CAR PATAGONIAのおじさんに頼んでみてくれました。結局、この会社の方が貸してくれることになりました。(写真には写っていませんが・・・。ちなみに、アルゼンチン出国後も、自分たちの写真も交換したりするなど、何回かメールをやり取りするほど仲良くなりました。)今から思うと、もしかすると同様のケースはたまにあるのかもしれませんが、ありがたい話でした。
  • と、いろいろあったトレレウ空港(Almirante Marcos A. Zar Airport,IATA: REL, ICAO: SAVT)の外観。空軍と共有らしいのですが、タクシーすら全くない超小規模な地方空港です。日本の基準的に言うと第三種空港以下という感じです。もっと分かりやすく言いかえるなら、鉄道駅ならば、新幹線の通っていない地方中核都市のJRの駅、例えば岐阜県中津川駅、山口県東萩駅、秋田県能代駅のような感じ、といえばいいでしょうか?


  • と言うわけで これが今回借りたシボレー コルサ(Chevrolet Corsa)。この車をデザインしたのはGMの日本人カーデザイナー児玉英雄さん、という話はちょっと有名な話。

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    このコルサ。CORSA-Bと呼ばれる2代目モデルです。日本での発売当時、既にトヨタがカローラⅡ系でコルサの商標を使っていたため、ヤナセはオペル ヴィータとして販売しました。輸入車としては格安だったため、商業的には一応成功したと考えても良い車です。(そういえば、日本でヤナセで車検や整備をしてもらった時に代車でよく貸してもらったのがこれでした。)


  • 良く見ればかわいい顔つき。

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  • 当時で言う、タコⅡ(ターセル・コルサ・カローラⅡ)あたりでしょうか。今でいえば・・・。コンパクトの4ドアセダンなんて、日本では絶滅した感じですね。ホンダのフィットアリアあたりがかろうじて該当する感じでしょうか?


  • 最廉価のベースモデルである証 ”CLASSSIC”が光ります。
  • バルデス半島は日本の奈良県と同じエリアが自然公園となっています。しかもほぼ未舗装道路。でもしっかりと走ってくれました。直進走行性なども意外とまともです。


  • 車の旅は、同乗者が飽きると、すぐに休憩できるのがいいです。


  • トランクの容量もしっかりとあります。

  • ハンドル回り。いかにも最廉価モデルらしい、質素でチープな作り。

  • とりあえず、エアコンがあるだけでも良し、とします。
  • メーターは220km/hまでありますが、こんなに出るはずがありません。

  • DC12Vのソケットから分岐をしているところ。カーナビ用とドライブレコーダー用です。日本ならどこのホームセンターでもカーショップでも豊富にある車用12Vの3連ソケットですが、南米でこれを見つけるのは至難の業。結局どうしても見つからず、日本から高いお金を出して取り寄せました。

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    ブラジルで使っているTOMTOMのポータブルカーナビは、標準でアルゼンチンの地図が入っていましたので、そのまま使えています。


  • やはり見たくなるのがボンネットの中身。1.4L 横置きDOHCが入っています。

  • エンジン形式はC14SEだと思います。82ps(61kW)/5200rpm.116 N·m (86 lb·ft)/3400rpmというかわいい出力のエンジン。先代のC14NZ形式に比べてDOHC化されたものとのこと。

  • プエルトマドリン(Puerto Madryn)へ向う国道40号線。パタゴニアを貫くメインストリートです。ひたすらまっすぐ。何もない道路。気持ちいーーーーー!。

    ・・・世の中は広いなぁ・・・とつくづく思います。

    さてさて、目的地のバルデス半島への入口ゲートに着きました。ここでチケットを買って入場します。
     
    気温20°、風ほぼなし、港は営業中とのこと。ヘッドライトをつけ、シートベルトをつけ、焚き火に気をつけ、最大速度60km/hとのこと。

  • バルデス半島内部の様子。奈良県のサイズの台地をこんな未舗装道路通って動物観察ポイントを巡って行きます。 ポイント間は数十キロから百数十キロ。日本ならばものすごい距離ですが、何もないので、それなりの時間でつきます。

  • それにしても気持ちの良い道です。

    どこまでもどこまでも続く道

    少し、実際の動物の様子も紹介しましょう。ウミウの仲間かな?

    アシカの仲間、オタリアOtaria flavescensです。ちなみにアシカはネコ目なのですが、その中のオタリア属はオタリア1種のみです。

    こんなボートに乗り換えて、海を見ます。本当はクジラの大群が見られる場所なのですが、ちょうど時期が過ぎてしまったときでした。(休みの関係で仕方ないのですが・・)

    オタリアOtaria flavescens。オスの成獣にはたてがみがあります。
  • ミナミゾウアザラシ Mirounga leonina です。ネコ目アシカ亜目アザラシ科ゾウアザラシ属 に属します。

    このゾウアザラシが、シャチに食べられるシーンが良く見られるそうです。

  • マゼランペンギン(Spheniscus magellanicus)です。もちろん野生でここが営巣地です。


  • 車があるので、せっかくなので隣町(と言っても100kmあります)にも出かけてみました。トレレウ Trelewです。そのトレレ ウ市内に入ったところ。南米らしい道路施設があったので紹介します。これはなんと歩道橋。日本なら震度2で崩壊しそうな感じですが、南米ではこれでもかなりまともな施設です。

    スーパーに入ってみました。うーん、この車は何だろう?。

    プエルトマドリン市内にて。60年代のフォードファルコンです。
  • 最後に、給油の紹介です。ここはアルゼンチンで一番有名な国営のYPFのスタンド。
  • レギュラーガソリンで70円ほど。日本よりもかなり安めです。
  • 南米の標準的なスタンド。給油機の隣にパソコンが入っていて、キーボードとクレジットカード読み取り機があります。ただし、現金入れはなく、その都度、建物内のレジに行って清算します。

    軽油もそれなりに充実している感じですね。

  • 給油口です。「無鉛ガソリンを・・・」ステッカーにありますが今の世の中、有鉛ガソリンを見たことがありません。

シボレーコルサでアルゼンチンバルデス半島を走る
(パタゴニアその1) 

 南米アルゼンチンの南緯40度以南の地域をパタゴニア地方と総称します。この地域はまさに自然の宝庫。息をのむほど美しい青い氷河群や、急峻な山々、パンパと呼ばれる大平原、そしてクジラも回遊する野生動物の宝庫の海岸線・・・。

 そんなパタゴニアですが、具体的には非常に広大なエリアを指します。別サイトで紹介しているロス・グラシアレス Los Glaciares もそうですし、イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群Ischigualasto/Talampaya Natural Parks  も 広義のパタゴニア地方に含まれることもあります。ただやはりパタゴニアと言えば、南米大陸先端の南の方が主流です。でも中部にも非常に見どころを感じる自然の楽園があります。そこが バルデス半島 Península Valdés 。野生動物の保護区であり、クジラの回遊などもある場所です。「そこを見たい」と思い、いろいろ調べましたがあまりにも広大でツアーで回るしかなさそうです。でも、車を借りれば自分の行きたい場所に行けると考え、車を借りることにしました。

 バルデス半島 Península Valdésはブエノスアイレスから南へ約1300knほどのところに位置する、南大西洋に飛び出た奈良県ぐらいの大きさの半島で、全体が奈良県ほどの面積を持ちそのほぼ全て野生保護区となっており、その中に多種多様な野生動物の生息ポイントがあります。問題は・・・。偉大なる大自然の中、あまりにも移動手段がないことです。 そもそもバルデス半島に行くための拠点となる町、プエルトマドリンPuerto Madrynですら、一番近い空港から65km離れており、空港についても自分で足を確保しないと何もない極小規模空港で路頭に迷うような場所です。しかも、目的バルデス半島自体も、何の交通手段もない、「奈良県と同じ大きさの野生自然公園」ですので、ここを訪れるためにはツアーに入るか、自分で足を確保するしかありません。そこで、ネットでレンタカー会社を探し、予約をしてから現地に向かいました。
 借り出すときに早速トラブル発生!でしたが結果的にはなんとかなり、様々な良い経験ができたパタゴニアドライブでした。